X登校プチ15km & 論文のself-archiving
朝起きてメイルをチェックしたら,「あんたの論文の proof の用意ができたで.校正原稿をダウンロードして確認&赤入れて,23 December までにアップロードしてね」ってメイルが来てました( cf. はやぶさ2とTPAMI論文 - まんぼう日記 ).えっと,今日が23日なんですが…ああ,アメリカの時間でってことね,はいはい.それにしたって,24時間くらいで仕上げろ,と.せわしないですなぁ.
ざっと原稿見た限りではちょこっと直せば済みそうやし家でもできる作業でしたが,ついでに他の仕事も片付けるために大学行くことにして,X登校プチ.寄り道して 瀬田川遊歩道に橋をかける工事の様子を見に行ってきました (3) - まんぼう日記 の工事現場の様子も見に行ってみました.
早速…
対岸南側からの眺め.工事現場のそばを通ったんですが,祝日やのに現場はお休みしてなくて,写真撮るんは遠慮しました.前回途中やったコンクリートパネル(?)の敷設は完了して,今は両岸との接続部の工事をしてるみたい.余談ですが,写真右の船は湖水を守ると書いて「こすも」です.
洗堰さん.今日もがんばってます.放流量は少し多めの \( 80 m^3 / s \) ,1号5号10号が開いてました.冬になって鳥さん増えましたが,たかたかがのそのそ近づいてってもパッと飛んでったりはせえへんものの,「なんや変なおっさん来たで,いこいこ」ってな感じでみなさんしずしずと遠ざかっていきます.なんか,めっちゃ寂しい (^^;
洗堰の南側にて.水面がきらきらして綺麗でしたが,たかたかの腕ではこんなん.右のんはやけくそで斜めに撮ったんを回転させて背景を白くした(透明色にするとはてなフォトライフにアップロードした時点で真っ黒な画像になってもうたので)だけです (^^;
で,例によって例の場所.この後は,大戸川沿いから堂,芝原を抜けて滋賀医大裏に出るいつものルートで大学へ.15km, 2時間半のX登校プチでした.
ちうわけで昼過ぎに大学へ着いて,あれこれ仕事.まずは校正原稿のチェックです.LaTeXのソースを提出してるから,単語の綴りや表中の数値が違ってるとかそういうとこを心配する必要はありません.でも,学会のスタイルにあわせるために数式のレイアウトとか表の体裁とかに結構手が入ってたので,念入りに確認.2時間くらいかかりました.ダウンロードしたPDFに朱書きしたものをアップロードして終了.
さらに授業の後始末(出欠や小テストの集計とか)を少しやってから,上記の論文の self-archiving 用のファイルを作成することにしました.同業者には言わずもがなのことですが,ちょっと説明…
理工系の学術誌に論文を投稿すると,まずは査読者(その論文の内容を理解できそうな専門家,普通は複数かつ著者には名が伏せられる)によるチェックを受けます.そして,掲載が認められると,その論文の著作権をその学術誌の発行元である学会などに譲り渡します(たいがい,「acceptされたらcopyrightをtransferするよ」って書類にサインして原稿と一緒に投稿する).
したがって,原則としては,自分の書いた論文やからいうてもウェブ上とかで勝手に公開したらあかんことになるわけです.学会は論文誌を売って得たお金で運営されてるし(会費とか他にも収入源はありますが).でも,一切あかんってことにすると研究者間の情報交換を阻害してしもてあれなんで,たいていの学会は,pre-print(copyright transferする前の草稿)や post-print(accept後の準備稿)を著者自身がウェブサイト等に置いて公開すること(これを self-archiving という)を認める規程を設けてたりします.
近年では論文誌の内容そのものも電子化されて配布されてます(多くの場合,閲覧権限を「買った」人だけがアクセスできる)が,さすがにそのデータを著者がダウンロードして self-archiving するのは認められないのが普通です.self-archiving 用の pre-print や post-print は,適当な体裁のものを自分で作成しないといけません.まあ,たかたかが投稿するような学術誌では,投稿原稿作成用のLaTeXスタイルファイルが提供されてて,それを使って投稿原稿を作るので,後でスタイルファイルを変えてちょこちょこ修正すればすぐに post-print もできるんですが.
というわけで,post-print の原稿を作成しました.すぐにできるとか言いましたが,掲載誌(IEEEのTransactions)がレターサイズで,post-printはA4で作りたかったので,結構な手間ひまがかかってしまいました.
ちなみに,学会の方のんはこちら( DOI:10.1109/TPAMI.2014.2382092 ).
この記事書いてる時点ではまだ校正前の状態のものです.
昔書いた論文の self-archiving をしようと思うと,上記のような規程を探し出すのが手間ですよね(その辺無視して,出版されたPDFをそのままばんばんアーカイブしてる研究者も多いんですが…).そんな人は SHERPA/RoMEO - Publisher copyright policies & self-archiving へ.いろんな学術誌のそういう情報を収集してるらしく,誌名とか入力したらその学術誌の規程を教えてくれます.
ResearchGate 使ってると誌名で上記サイトを自動検索して「あんたのその論文はグリーン(self-archivingが認められてる)やから,今すぐ full-text をアーカイブせえへんか?」って唆してきたりしますね.
さて,上記の論文に関する作業がほぼ全て終わったので,ここでもっぺんどんな進行やったかメモっときます.日付は日米の時間がごっちゃなので適当.
- 2013年7月15日 投稿
- 2014年3月17日 査読結果が通知される.Major Revision. 修正原稿の提出締め切りは6月14日
- 2014年6月12日 修正原稿を提出
- 2014年12月3日 査読結果が通知される.Accept with No Changes.
- 2014年12月6日 最終原稿データを提出
- 2014年12月18日 プレプリントが IEEE Xplore でオンラインに.
- 2014年12月23日 最終原稿の校正
- 2014年12月24日 最終原稿の校正その2.この記事書いてる間にメイルが来ました.確認して25日までに回答してねって.前回指摘した箇所が全て修正されてることを確認.変更なしと回答.
- 2015年(?)X月Y日 出版
2.から3.までの経緯は 某誌に投稿した論文の修正原稿を提出しました - まんぼう日記 に書いてます.それから,12月3日の日記はこちら: はやぶさ2とTPAMI論文 - まんぼう日記
おわったおわった \(^^)/