まんぼう日記

takataka's diary

龍と三角関数(1)

龍と三角関数(1) - まんぼう日記
  龍と三角関数(2) - まんぼう日記
  龍と三角関数(3) - まんぼう日記

 

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某所に,理工系らしいおもしろネタを書くっちうことになりまして,「何らかの図形の輪郭線をフーリエ級数で表して描く」って方向でいってみることにしました. で,「あのロゴ描く,ついでに破壊する」とか「平成→令和」とかいろいろ考えたあげく,上記の図形でやってみました.この書は,うちの研究室のK氏の作品です(ありがとうございます).

ちうわけで,この記事はそのネタの習作のよーなもんです.

 

三角関数でお絵描き

「三角関数でなんか面白いことして」っちう無茶振りを受けまして,こんなん作ってみました.

三角関数なんぞ見たくもないってひともいるかもしれませんが,だいじょーぶ.計算するわけやのーて単に眺めるだけやから怖くないですよ.って,説明せえへんかったらわけわからへんですね (^^;

 

一番上のところが D = 1 からだんだん大きくなるにつれて, 「龍」の字を形作っている図形の形が複雑になってるのがわかるでしょうか. それとともに,下に出てる式もどんどん長くなってってます. 実は,これら6つの式は2つずつセット(x座標の式とy座標の式)で龍の字の3つの部品(「立」,「月」とつくりの部分)を描いてます.どの式も cos(t) とか sin(2t) みたいな三角関数ばかりでできてます.

 

例えば,D = 1 のときはこんなん.

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どの式も cos と sin が一つずつ入ってます.このとき図形は単純な楕円です.これが D = 2 になるとこーなります.

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cos と sin が2つずつになって,形が少し複雑になりました.D = 20 まで行くと,cos, sin が20個ずつになって,こーなります.

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こんな調子で,式に出てくる cos と sin の数 D が増えると,描かれる図形がどんどん複雑になって,「龍」っぽくなっていきます.

 

この龍の字の場合,最初に上げた毛筆の画像をコンピュータで処理して

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こんな風に輪郭線を見つけて,3つの輪郭線それぞれの座標を拾いました.それらをコンピュータに計算させて,各輪郭線を表す600個の sin, cos でできた式を求めました(さすがにこんなん手計算したくない (^^;).その式を使って描いた曲線がこちら.

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式の方はさすがに書く気になりませんので,省略します.なにしろ sin, cos が600個もある式やし.しかもそれが6つやし.上記の動画は,この600組の sin, cos でできた式を出発点にして,その中から sin, cos を1組だけ使う(D = 1) → 2組ずつ使う(D = 2) → ... → 600組全部使う(D = 600),ということをして作りました.

 

このように曲線を三角関数でできた式で表す方法は,フーリエ級数展開フーリエ変換と呼ばれています.後で説明しますが,すごく応用範囲が広い(決してお絵描きのためだけのものではありません (^^; )ので,大学で理工系へ進むとたいてい学ぶことになります.

 

ちう話のつづきは後でやることにしまして….せっかくなので(?),得られた式を利用して遊んでみました.
 

(この動画は途中で止めてます.この場で完成するとこまでやるとお叱りを受けそ―なので (^^;

 

龍と三角関数(2) - まんぼう日記 へつづく