まんぼう日記

takataka's diary

脳を見る

(cf. 旧「まんぼう日記」を発掘 - まんぼう日記 )

 

工業技術院で行われた「脳を見る」というタイトルの講演会を聴講。 たった3時間やったけどえらい疲れてしもた。 案内のページにリンクして内容紹介を省略しよう思う鱈、ページが既に消えている。 うー。うー。

 

講演タイトルは以下の通り。

 

1.「fMRIによる脳機能映像化の原理と応用」-言語情報処理の解明を目指して-

電子技術総合研究所 中井敏晴
2. 「fMRIによる脳機能映像化の新展開」-混合信号の分離と可視化-電子技術総合研究所 村木茂 (ビジュアルコンピューティングラボ)

3. 「医用画像情報の提示手法」
生命工学工業技術研究所 山内康司

 

一つ目は、核磁気共鳴機能画像法(functional MRI)の原理の概略と実験結果について。 [漢字/その読み]を視覚刺激として提示し、漢字の画数を答えさせるというタスクを、[字を指でなぞってもよい/指は動かさない]という条件で遂行させると、条件によって賦活領域に違いがでるらしい。 時間が短いので細かい話は聞けんかった。 割合低次の機能については賦活される部位なんかの再現性はほぼ100%やけど、高次な機能を使うタスクほど再現性が低くなるんですね。 で、実験前後に被験者にどういう思考過程をたどる/たどったか確認して、被験者内とか被験者間でそれを合わせておかんと、やるたんびに違う結果になったりするらしい。なるほど。 これからは、失語症の患者さんを被験者にして言語に関わる領野を調べる予定やそうな。 全然本筋やないけど、fMRIの受信センサの挙動が被験者の体格によって変わったりするので、そのキャリブレーションなんかも今後はちゃんとやりたいっていう話をしてたときに、「痩せた人」の反対をわざわざ「体積の大きい人」って言うてたんが面白かった。

 

二つ目は、画像処理屋さんから見たfMRIのデータ分析法の問題点についてのお話と、独立成分解析(ICA:Independent Component Analysis)によるデータ解析についてのお話。 やはり現在のfMRI研究者が使うてる標準的なデータ解析手法はむちゃくちゃうさんくさいらしい。 で、主成分分析(Principal Component Analysis)使うてデータ解析してみたけどうまくいかんかったんで、ICA使うてみたらええ結果がでました、ということ。 んー、やっぱりICAとか非線形PCAとかの研究は大事っすね(とか言うて自分のD論の宣伝してみたりして)。

 

最後はちょっと毛色が変わって、コンピュータやロボットによる外科手術支援の話。 双眼で立体視できる内視鏡は「気持ち悪うなる」いうて医者に不評やそうで、単眼で得た一枚の画像を少しずらして重ね合わせるインチキ立体内視鏡の方が見やすいらしい。 ただ情報量を増やせばええちゅうもんやないというわけですね。 手術時に医師の音声に従って内視鏡操作を行う手術支援ロボットは既に商品化されてると聞いてびっくり。 内視鏡の保持って人がやるとぶれるから機械の方がええ、ちゅう理由はいかにもです。 でもそれだけやのうて、人間の場合は医師と助手の息が合う・合わないで手術の成績が大きく左右されるから、いっそ機械にやらせたほうがええ、ちゅうのも大きな理由らしい。 そういうもんなんか。

 

ふう、疲れたナリ。