龍と三角関数(1) - まんぼう日記
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何の役に立つの? 〜音声や音楽を三角関数で表す〜
ここまで,いろんなグラフを三角関数の重ね合わせで描けることを見てきました.応用すると,龍の字を描いて遊んだりもできるのでした.でも,こんなことできていったい何がうれしいのでしょうか.何の役に立つのでしょうか.
実は,幅広い分野でいろいろと役に立ちます.特に理工系では道具としていろんな使い道があります(ので,大学で理工系へ進むとまじめに学ぶことになるでしょう).しかし,それらの実例を一つ一つ挙げていくときりがありませんので,ここでは一つに絞って説明したいと思います.音声や音楽を三角関数で表すっていう話です.
例えば,携帯電話.マイクで拾った音を電波にのせて伝えるために,音の波形を数値で表します.以下の図は,そのイメージです.
送信側では,まず,音を表す波形を三角関数を使って表します.のこぎり波のグラフのときと同様です.そうしたら,sin や cos の前に現れる数値のみを送信します.受信側は,受け取った数値と sin, cos を組み合わせて式を計算します.こうすることで,元の音に近い波形を作り出すことができる,というわけです.
スマフォやPCに音楽を録音しておく際も,同様です.上記のようにして求めた数値を記録しておいて,再生するときに計算して元の波形(に近い波形)を合成するのです.音声通話のときも音楽の録音のときも,波形を表す数値の数をケチると,通信データ量や記憶容量を節約できます.ただし,そうすると元の波形をちゃんと表せないので,音質は悪くなります.のこぎり波で K が小さい時みたいな状況ですね.
とまあ,こんな感じです.高校数学ではとかく計算面倒で嫌われがちな三角関数ですが,実は,すごく役に立つありがたい存在なのです.少しは仲良くしてやってもいいかなって気に...なりましたでしょうか.
蛇足: 上記の説明ですが,わかりやすくするためにいろいろごまかしてるとこがあります.大学で情報系とか進んでちゃんと勉強すると,何をどうごまかしてるか分かるでしょう.ぜひそっち方面へ進んで将来ツッコミを入れてください (^^;