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まんぼう日記

takataka's diary

続 長期記憶への転移・定着がうまくいかなかったよう

(cf. 旧「まんぼう日記」を発掘 - まんぼう日記 )

 

長期記憶への転移・定着がうまくいかなかったよう - まんぼう日記 からつづく。

 

0:30頃、Discussionの節を書き上げる。 2:30頃、abstractを書き上げる。 研究室装備の冷凍食品(ここは覚えてるぞ。加ト吉のお好み焼きがおいしかったです)、カップ麺、栄養ドリンク、ゼリー状ならびにビスケット状栄養食品など、断続的にエサを摂取。 いろいろ書くつもりやったIntroductionもいたってシンプルなものに。 夜明け頃、とりあえず全体を書き上げる。 7:00頃、全体を通しての修正、図のレイアウトをし、スペルチェックをかけて完成。 ぎりぎり5ページ。 8:00頃、電子メイルにて投稿。 ああそういえば、投稿に前後して、顔画像使った実験用にと、いすに座って角度を変えながら何枚も画像撮られたぞ。

 

今回の論文は、今までのと少し路線が違う(応用色が強い)もんやから、めっちゃ不安。 通る(採択される)かどうかようわからへん。 で、今更ながら少しは勉強をということで、これまで時間がとれんででけへんかった、関連する先行研究についての調査をはじめる。 既に持っていた論文の参考文献リストから、関係が深そうでかつ新しいもの(1998年)をひとつみつける。 コピーをとってそいつのIntroductionを読む。 そこから次にたどるべき論文を十数本選び、リストを作る。 とりあえず身近ですぐにコピれるものをコピッたところでお昼。

 

ラーメン屋さんでお昼。 にんにくたっぷりの辛いのんを食う。 うまかった。 帰りがけに天津甘栗を発見。 るんるんで買ってかえる。

 

ねむへろで筑波大図書館の蔵書検索にアクセス。 残り9本のうち5本が掲載されているjournal/proceedingsの所蔵を確認。 3時に帰宅。 顔を洗って出直しや。

 

4時に筑波大へ。 事務仕事を片付けた後、半に電子・情報工学系資料室へ。 5時までに鍵を事務に返却しないといけないので、大急ぎで2本見つけてコピー。 ひと休みして次は中央図書館。 こっちは平日は夜10時まで空いているが、6時から用事があるため、足音立てない程度に館内を早歩きして回る。 残り3本をget。 今日のお仕事はこれでおしまい。

 

6時から認知心理・記憶研究会。 今日は、生物の院生Yさんによるお話。 とってもわかりやすくでグゥでした。 大変勉強になりました。 ふたことでいうと、

 

  • 海馬CA1領域に限局してNMDAリセプターの発生が抑制/促進されるように遺伝子をいじったノックアウト/ノックインマウスをつくりだした
  • 電気生理的実験によって海馬CA1でのLTPの消失/亢進を確認、また行動実験によっても学習成績の低下/向上を確認した


というお話でした。 以下、自分なりに理解したことを書いてみます。 お断りしておきますが、素人ですので間違いがぎょうさんあるかもしれません。 おかしなところがあったら指摘していただけるとうれしいです。 ちなみに生物は高校一年の理科I(といってもカリキュラムがころころかわる昨今、何やそれという人のほうが多いのかな)以来、学んだことがありません。


まだ途中…

 

入門編

ニューロンの働き、学習とシナプス可塑性、LTP(長期増強)、海馬回路 … (説明は省略)。 そうそう、カナダの心理学者Donald HebbによるいわゆるHebb則の提案は、1941年か44年とかほざいてしまいましたが大嘘でした。 1949年でした。 今年で50年なんですね。

 

本編その一

``Synaptic plasticity, place cells and spatial memory: study with second generation knockouts,''
M. A. Wilson and S. Tonegawa,
Trends in Neuroscience, 20, pp.102-106(1997)

 

背景

  • NMDA channelは、海馬CA1に限らず脳内に幅広く分布している。
  • 従来の研究では、全てのNMDA channelをブロックしたノックアウトマウスを用いていた。

→行動実験で学習能力に低下が見られたとしても、それが海馬CA1領域においてLTPが阻害された結果なのかどうかわからない。 海馬CA1領域特異的にNMDA channelをブロックする手法が必要。


実験結果

  • Cre-loxP系によってCA1 pyramidal-cell特異的にNMDA receptorをノックアウトした変異マウス(以下CA1-KOと略記)をつくり出した
  • 電気生理実験:普通のマウスでは、CA1・脳の他の領域どちらにもLTPが見られるが、CA1-KOではCA1でのみLTPが消失した
  • 行動実験:water mazeでの実験。 普通のマウスは一定時間後に足場のある場所にいる頻度が高いが、CA1-KOではそのような傾向が見られない

本編その二

``Genetic enhancement of learning and memory in mice,''
Y.-P. Tang, E. Shimizu, G. R. Dube, C. Rampon, G. A. Kerchner, M. Zhuo, G. Liu and J. Z. Tsien,
NATURE, 401, pp.63-68(1999)

 

背景

  • NMDA channelは二つの部分(NR1とNR2)から成る。 NR2には二種類(NR2AとNR2B)あるが、LTPに関与しているのはNMDA2Bらしい
  • 最近、ノックアウトとは逆に遺伝子が発現するように制御する「ノックイン」技術が開発された →海馬でNR2Bがたくさん生成されるようにしたノックインマウスをつくる

実験結果

  • 海馬でのみ通常より多くのNR2Bが生成されるようにしたノックインマウスをつくった
  • 電気生理実験その一: 普通のマウスでは、LTPは14日から18日で減弱するが、NR2Bマウスでは、18日たってもLTPが持続し続けた。
  • 電気生理実験その二: NR1をノックアウトした場合には、テタヌス刺激によるLTPも低頻度刺激によるLTDも両方消失するが、NR2Bのノックインでは、LTDはそのままでLTPのみがenhanceされる。 通常よりも低い周波数の刺激でLTPが生じ、増強の程度も強かった
  • 行動実験その一: マウスは二つの物体が与えられると、見覚えのない方を探索する傾向がある。 いろいろな物体を見せてから1時間、1日、3日、1週間後にテスト。 普通のマウスの成績は一日でほとんどチャンスレベルまで落ちるが、NR2Bマウスでは3日までは有意に高い成績を保った。 1週間後にはどちらもチャンスレベルまで落ちた。
  • 行動実験その二:条件付け。 マウスを特定のかごに入れて電気ショックを与えることを繰り返すと、そのかごに入れられただけで体をこわばらせるようになる(contextual freezing)。 また、電気ショックを与える時にブザー音を聞かせるようにしておくと、別のかごで同じブザーを聞かされただけでも体をこわばらせる(cued freezing)。 1時間、1日、10日後にテスト。 どちらの場合も、どの時間間隔でも、NR2Bマウスの方が有意に高い割合でfreezingを起こした。
  • 行動実験その三:その二と同じ訓練をしておき、24時間後にcontextual or cued freezingのテストを5回繰り返す。 テスト時に電気ショックが与えられないので、回を重ねる毎に恐怖反応が減少する。 1回目はその二に述べたようにNR2Bの方が高い割合でfreezingを起こすが、2回目以降はNR2Bの方がfreezingを起こす割合が低くなる。
  • 行動実験その四:water maze。 普通のマウスに比べてNR2Bの方が、訓練中に少ない試行回数で足場にたどり着けるようになる割合が高い。

予備知識

NMDA channel

ノックアウトマウス

組織特異的変異マウス